2016年11月26日 更新

多様体を理解するpart1〜座標系とは〜

多様体の工学的応用についてご紹介します。

21,607 view お気に入り 0
\begin{align}
D^2 = \{(x,y) \in R^2 | x^2 + y^2 < 1 \}
\end{align}
を考え、円盤の境界では無限遠と考えます。そしてこの世界では

$D^2$の境界と直交する円弧または直線

が「直線」であると定めます。

この空間では上の図のようにある点pを通るような「平行線」は無数に存在します。

2. 「曲がった」空間での幾何学

曲がった空間での幾何学を具体的に考えてみるために、以下のような単位球面
\begin{align}
S^2 = \{ (x,y,z) \in R^3 | x^2 + y^2 + ^2 = 1\}
\end{align}
での幾何学を考えてみましょう。球面上の位置を特定するときには$(x,y,z)$の座標を指定するよりも”地図”(atlas)を使って場所を指定します。
 (2486)

場所を指定する方法として、「緯度、経度」がありますよね。これは、球面上の点を
\begin{align}
r = \{ R\cos\phi\sin\theta,R\sin\phi\sin\theta,R\cos\theta \}
\end{align}
と$(\theta, \phi)$でパラメタライズし、そのθ , πを指定することで、場所を決めているわけです。
次にこの球面上の3点を結んで、三角形を作ってみます。
球面上で作った三角形

球面上で作った三角形

この三角形、角度の和が180度にはなりません。球面三角形の内角の和は常に180度より大きいのです。平面の幾何学では成り立たないことが、曲がった幾何学を考えることで成り立つことがわかります。


今回はEuclid幾何学と非Euclid幾何学をみてきました。このような議論からどのように多様体に結びついていくのか、次の記事で説明していきたいと思います。
36 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

LSTMとは〜概要と応用について〜

LSTMとは〜概要と応用について〜

音声信号処理や文章・対話の生成に用いられているLSTM(Long Short Term Memory)についてまとめました。
pythonによるtensorflow〜deepdreamによる画像変換〜

pythonによるtensorflow〜deepdreamによる画像変換〜

今回は前回のtensorflowの記事に引き続き、deepdreamによる画像変換についてご紹介します。
Deep learningで画像認識③〜ネオコグニトロンとは?〜

Deep learningで画像認識③〜ネオコグニトロンとは?〜

Deep learningは、画像認識において大きな成功を収めています。そこで用いられる多層ネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network:CNN)と呼ばれており、画像認識に適した独特の構造を持っています。
木田智士 | 21,788 view
pythonによるtensorflow〜インストール、サンプルの実行〜

pythonによるtensorflow〜インストール、サンプルの実行〜

今回は、いま注目されている「tensorflow」についてご紹介します。
Neural Network with Julia 〜Kaggleの文字認識(DeepLearning)の前処理〜

Neural Network with Julia 〜Kaggleの文字認識(DeepLearning)の前処理〜

今回もNeural NetworkをJuliaで実装する方法についてご紹介します。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部