2016年9月28日 更新

Microsoftとカーネギーメロン大学が質問回答式の人工知能システムを開発

マイクロソフトの研究チームは、カーネギーメロン大学との共同研究で、人工知能のシステムを新しく開発した。機械に画像の抽象的な特徴を解析させ、その画像に関する質問に対して回答する訓練ができるようになった。

468 view お気に入り 0
マイクロソフトの研究チームは、カーネギーメロン大学との共同研究で、人工知能のシステムを新しく開発した。機械に画像の抽象的な特徴を解析させ、その画像に関する質問に対して回答する訓練ができるようになった。

今回開発されたシステムでは、コンピュータビジョン(ロボットの目)とディープラーニング、画像分析と適切な回答を解析するための自然言語処理技術を使う。質問に対する回答の推論は、複数のレイヤー(SANs:stacked attention networks)を通して行われる。
arXiv.org

arXiv.org

まず、画像情報をニューラルネットワークで処理することで、与えられた質問の意味や前提となる状況を理解する(第1レイヤー)。
次に画像の中で回答に必要なものをふくむ領域に視点をフォーカスする。
これは写真に写り込んだ無関係な情報を排除するプロセスでもあり、抽出された情報から「最も適切と思われる」回答を導き出すことができる(第2レイヤー)。
 (1212)

たとえばトップ画像の写真について「自転車のカゴの中にいるのは何ですか?」という質問があったとする。
第1レイヤーでは、自転車やカゴといった"物体"と「カゴの中」という"概念"を認識。そして第2レイヤーでカゴの中身に焦点を当てて、「その中にあるのは何か」を分析する。この場合、質問への回答は「イヌ」となる。

今回紹介した研究は画風アルゴリズムで紹介したConvolution Neural Network(CNN)が用いられている。今後、Neural Networkを用いたディープラーニングの研究は更に進んでいくだろう。
 (1214)

<参考資料>
System trains machines to look at images the way people do – and answer questions about them(Microsoft Blog)
Stacked Attention Networks for Image Question Answering(Arxiv.org)
7 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

日本が進めるAI画像診断支援②

日本が進めるAI画像診断支援②

大量に集められた医用画像データベースを用いて、いかに効率的に解析可能な教師データを作成していくか、またAIをどのように臨床業務のワークフローに組み入れていくか、がAI画像診断支援の実装に向けた今後の大きな課題です。今回は、AI画像診断支援の実装に向けた具体的な取り組みについて紹介します。
木田智士 | 3,689 view
日本が進めるAI画像診断支援①

日本が進めるAI画像診断支援①

AIによる医用画像診断支援を進めていくためには、大量の医用画像データが必要です。現在、日本の学会や研究所が中心となって、大規模な医用画像データベースの構築が進んでいます。今回は、その大規模データベース構築の現状について紹介します。
木田智士 | 3,757 view
日本企業の画像診断支援AI開発 2018 ⑤ ~エルピクセル~

日本企業の画像診断支援AI開発 2018 ⑤ ~エルピクセル~

4/13~4/15にパシフィコ横浜で開かれたITEMに行ってきました。画像診断支援AI技術開発の各企業の動向についてレポートします。今回は、エルピクセルです。
木田智士 | 2,816 view
日本企業の画像診断支援AI開発 2018 ④ ~診断支援AIプラットフォーム~

日本企業の画像診断支援AI開発 2018 ④ ~診断支援AIプラットフォーム~

4/13~4/15にパシフィコ横浜で開かれたITEMに行ってきました。画像診断支援AI技術開発の各企業の動向についてレポートします。今回は、画像診断支援AIプラットフォームの開発についてです。
木田智士 | 2,133 view
日本企業の画像診断支援AI開発 2018 ③ ~キヤノンメディカル~

日本企業の画像診断支援AI開発 2018 ③ ~キヤノンメディカル~

4/13~4/15にパシフィコ横浜で開かれたITEMに行ってきました。画像診断支援AI技術開発の各企業の動向についてレポートします。今回は、キヤノンメディカルです。
木田智士 | 3,173 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部