2016年9月13日 更新

画像解析入門③ 動態解析

今回は、動態解析について見ていきます。今迄は2次元の画像を見てきました。縦横の広がりを調べ、違いを示すことが画像解析の一つの目的です。では、縦横の軸に、もう一つの軸を加えるとどうなるのでしょうか?

16,666 view お気に入り 0

おさらい(グレースケール・座標軸)

x軸は右に向かう程、y軸は下に向かう程座標が大きくなります。

カラーの場合は、RGBそれぞれに対してレベルが存在します。例えば赤の度合い、青の度合い、緑の度合いが0~255まで違います。
 (250)

こちらの写真は、512x512の大きさです。x=0,y=0の原点の値を選択しています。

動きの解析

これまでは2次元の画像を見てきました。しかし、3次元画像を扱う可能性もありますよね。
どうやってPC上で画像処理するのでしょうか?
Image JやPhotoshopなどでは3次元の画像を処理する手法としてスタック画像というものが存在します。
ImageJ では、空間的あるいは時間的な変化を示す複数の画像を1つのウィンドウに表示できる。この画像のセットをスタック(stacks)と呼ぶ。スタックを構成している1枚1枚の画像をスライス(slice)と呼ぶ。すべてのスライス画像は、同じサイズで、同じビット数(階調数、色深度)のものでなければいけない。スクロールバー(scroll bar)を使うと、スライスを次々と表示できる。ImageJ のほとんどのフィルタ処理では、オプションで、スタック内のすべてのスライスを対象にできる。
via Image J マニュアル基本的な概念(Image J 日本語情報)
画像のスタックは、同様の基準フレームを持つ複数の画像を組み合わせたものですが、各画像の画質やコンテンツは一様ではありません。複数の画像をスタック内にまとめたら、これらの画像を処理することにより、不要なコンテンツやノイズを消去した合成ビューを生成できます。(Adobe Community Helpより)
via Photoshop/画像のスタック(Adobe)
 (257)

Photoshopをよく使っている方は、レイヤーをイメージしてもらえると分かり易いかもしれません。3次元の画像は画面上ではXY平面しか見ることが出来ません。が、複数の画像を重ね合わせることで、3次元の情報を含めることが出来ます。そこで、Z軸で何枚かのスライスに切り分けることが出来ます。このスライスをまとめたものをスタック画像と呼ぶのです。
 (259)

xy方向だけでなくz方向の情報も追加されます。z方向の値はスライス枚数順であり、下のバーをスクロールすることで、スライスを移動させることが出来ます。

試しにImage Jでスタック画像を見てみましょう。
 (261)

File->Open Samples->MRI Stack(528K)を表示してみましょう。
 (263)

31 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

細胞の移動量を調査

細胞の移動量を調査

細胞の移動量(動態解析)についてご紹介します。動態解析とは、観察している対象物の経時的な変化を調べる為に行います。
YoutubeでImageJ  - インストール・セットアップ・プラグイン

YoutubeでImageJ - インストール・セットアップ・プラグイン

Fiji(ImageJにあらかじめ様々なプラグインがインストールされているもの)のインストールの仕方。新しいプラグインのインストールの方法を動画として紹介します。
北村 旭 | 3,416 view
ImageJ Plugin で数値計算をしてみる #5

ImageJ Plugin で数値計算をしてみる #5

非情報科学研究者 (特に生物系研究者) が ImageJ plugin を作るために超えるべき壁やTipsをまとめます。今回は、面積の平均値や中央値、分散を出力するためのコードをご紹介します。
湖城 恵 | 10,128 view
ImageJインストール(Mac)#ImageJの初心者から中級者まで#

ImageJインストール(Mac)#ImageJの初心者から中級者まで#

ImageJのインストールの仕方についてまとめました! 「ImageJってなに?」から「ImageJって面白い!!」へ!
ImageJ まとめ

ImageJ まとめ

「このページを見れば,ImageJ のこと全てが解決する」をモットーに,日々更新を行っています.

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部