2016年9月15日 更新

MRIやCTなどのDICOM画像を3Dモデルに変換する方法

最近では医療分野でも3Dモデリングが取り沙汰されている。

70,950 view お気に入り 3
筆者が現在の学校に入学した頃、既にCTやMRIの画像をモニター上で3Dに再現する高性能なソフトウェア(ワークステーション)は存在していたが、3Dプリンタや拡張現実などの発展により、撮像した臓器のモデルをモニター以外の場所でも五感で体感することが出来るようになった。



神戸大学大学院の医学研究科に所属している医師、杉本真樹氏が中心となって、これらの取り組みを行っている。杉本氏は、医療画像アプリケーションOsiriXの開発にも携わり、現在ではOsiriXをベースとした低侵襲度の手術法やロボット手術などの研究をしている。

OsiriXは無料版も提供されており、以前撮像してもらったCTやMRIのデータがCD-Rなどで手元に残っていれば、お金をかけずに自分の身体の3Dモデルを作ることが出来る。(ただし、OsiriXはMac専用なので、Windowsの場合は、SlicerやITKSnapなどがある。)

① OsiriX

 (896)

② OsiriXでモデリングしたいファイルを選択

そして、画像を選択した状態で[3Dサーフェスレンダリング]を選択する。(MRIの画像でも出来る。)
 (897)

 (900)

 (901)

このような表示が出る。間引き、平滑化の部分をいじると、画像が滑らかになったり粗くなったりする。
 (903)

 (904)

このような形で、個人パソコン上で自分の頭部の画像を3Dで再現することが出来た。ただし、今回使ったのが、6mm厚の画像だったので、ステアステップアーチファクトが生じてしまっている。1~2mmなどより薄いスライス厚であれば、より細かく再現出来る。
 (906)

1.2mmスライスで撮像したGRE像から再構成した3Dボリュームレンダリング画像。もう少し細かく再現出来ている。

③ 2の画面上で、 [3D-SR書き出し]から[STLに書き出し(.stl)]を選択

30 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

医用画像位置合わせの基礎⑤~Fiji pluginを用いた画像位置合わせ~

医用画像位置合わせの基礎⑤~Fiji pluginを用いた画像位置合わせ~

前回紹介した、LPixel社のImageJ registration pluginに引き続き、今回は、FijiというImageJの拡張版ソフトを使った画像位置合わせをご紹介します。
木田智士 | 22,336 view
医用画像位置合わせの基礎③ 〜MRI画像を使った相互情報量の計算〜

医用画像位置合わせの基礎③ 〜MRI画像を使った相互情報量の計算〜

今回は、前回紹介した相互情報量の概念を画像に応用し、実際のMRI画像を用いて相互情報量を計算することにより、画像の類似度を評価することをご紹介します。
木田智士 | 15,726 view
医用画像位置合わせの基礎① 〜画像の類似度とは?〜

医用画像位置合わせの基礎① 〜画像の類似度とは?〜

近年、放射線診断や放射線治療において、医用画像位置合わせは重要な技術になってきています。ここでは、医用画像解析に興味のある学生や研究者のために、医用画像位置合わせに必要な基礎知識についてまとめました。
木田智士 | 51,618 view
【医用画像の解析処理 ①】X線胸部画像

【医用画像の解析処理 ①】X線胸部画像

医用画像の解析処理についてご紹介します。参考にするのは、新潟大学の医用画像処理工学演習の授業ページ( http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~medimg/practice_medical_imaging/imgproc_scion/1sampling/index.htm)です。
日本が進めるAI画像診断支援②

日本が進めるAI画像診断支援②

大量に集められた医用画像データベースを用いて、いかに効率的に解析可能な教師データを作成していくか、またAIをどのように臨床業務のワークフローに組み入れていくか、がAI画像診断支援の実装に向けた今後の大きな課題です。今回は、AI画像診断支援の実装に向けた具体的な取り組みについて紹介します。
木田智士 | 3,807 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部