2017年3月5日 更新

総括① ImageJマクロ言語による画像処理―画像の基礎から二値化処理まで―

多くのライフサイエンスの研究領域では顕微鏡で撮像した画像から輝度値や面積など各種統計量の計測や画像に写っている細胞数や粒子数の計数化などの定量化がImageJを用いて行われています。 ImageJマクロシリーズの記事では、このようなライフサイエンスの研究で実際によく使われる画像処理をマクロ言語で自動化することを目標に学習を進めてきました。本稿では総括①としてImageJのマクロ言語を用いた画像解析の学習シリーズ1~5までで学んだ内容をまとめました。

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解析対象の画像に対してある輝度値を基準 (閾値) としその閾値以上の輝度値を示す画素値を1、閾値以下の輝度値を示す画素値を0に変換し、画素値が0と255 (あるいは0と1) の2つの値しかとらないように処理を施す操作のことを二値化といいます。二値化処理を施した結果、画像は白と黒の2色だけで表示され、領域分割ができます。

【ImageJの使い方】

 これまでに学んだ画像処理の概要をまとめました。記載されていない詳細な設定や各ステップでの説明は対応するリンク先の記事を参照してください。

① 背景の設定

メニューのProcess→Binary→Optionsをクリックし、Binary Optionsという画面を表示させる。 対象画像の種類により設定が異なることに注意!

蛍光画像👉Black Backgroundに✓を入れる
組織染色画像(明視野画像)👉Black Backgroundに✓を入れない。

原理と解説はこちら👉https://lp-tech.net/articles/E5dKv

② スケール設定

メニューのAnalyze→Set Scaleをクリックし、画像のスケールバーが何ピクセル分に対応するかを入力する。

③ 測定項目

Analyze→Set Measurements(計測の設定)をクリックし、Area、Mean、Standard deviation、Skewness、Kurtosisなど測定したい統計量にチェックを入れOKをクリックする。

④ 領域指定

ImageJのメニューバーにある楕円や四角の描画ツールを使って領域を指定する。選択した領域が複数あるときはAnalyze→Tools→ROI Managerをクリックし、解析する領域を指定する。
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