吉田光範さん(東京大学 新領域創生科学研究科 ポスドク)
研究を一言でいうと、酵母細胞を使った細胞内カルシウム制御機構の研究をしている。
細胞内のカルシウム制御機構がくずれると神経変性疾患や精神疾患の原因になることが知られているが、酵母細胞を使ったカルシウム制御機構の研究は、こうした難病の病態メカニズムの解明につながるかもしれない。
通常の条件と高濃度Ca条件下における酵母の細胞形態を比較することで、細胞のCa2+による形態変化を調べ、遺伝子機能や細胞内プロセスを明らかにすることが出来る。
具体的には、酵母のカルシウム感受性変異株について、通常条件と高濃度カルシウム条件下における細胞形態をCalMorphという画像解析システムを用いて定量化している。
その後、GLM(一般化線形モデル)という統計手法を用いて変異株に固有の形態変化を計算し、それに基づいて遺伝子機能や細胞内プロセスを推定する。
細胞内のカルシウム制御機構がくずれると神経変性疾患や精神疾患の原因になることが知られているが、酵母細胞を使ったカルシウム制御機構の研究は、こうした難病の病態メカニズムの解明につながるかもしれない。
通常の条件と高濃度Ca条件下における酵母の細胞形態を比較することで、細胞のCa2+による形態変化を調べ、遺伝子機能や細胞内プロセスを明らかにすることが出来る。
具体的には、酵母のカルシウム感受性変異株について、通常条件と高濃度カルシウム条件下における細胞形態をCalMorphという画像解析システムを用いて定量化している。
その後、GLM(一般化線形モデル)という統計手法を用いて変異株に固有の形態変化を計算し、それに基づいて遺伝子機能や細胞内プロセスを推定する。
(出典:東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻生命応答システム分野)
変異の類似度を階層クラスタリングし、まとまった機能株でまとめることで、機能的に近い遺伝子の変異株に分類することが出来る。また、タンパク質の機能同士の関係因子も調べることが出来る。
(出典:東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻生命応答システム分野)
吉田さんは研究発表のスライドを作成する際にスライド全体の統一感を大切にしている。
また、引用する図は論文に載っている図を参考にすることが多い。
また、自分の研究を紹介する際、先行研究の引用、レビューは必須である。これは過去に他の研究者が同じようなテーマで研究論文を発表していた際に、その研究をリスペクトした上での発表であることを伝える為である。これは忘れないようにしている。
大学院では、輪読会(ジャーナルクラブ)を年2回行っている。過去半年以内に出た論文1報と関連情報をあわせて10報以上読み、スライドにまとめて1時間発表する。最初のうちはハイインパクトのジャーナルを読み、分かったこと、やったことが一言で言えるものを読んでいく。
また、引用する図は論文に載っている図を参考にすることが多い。
また、自分の研究を紹介する際、先行研究の引用、レビューは必須である。これは過去に他の研究者が同じようなテーマで研究論文を発表していた際に、その研究をリスペクトした上での発表であることを伝える為である。これは忘れないようにしている。
大学院では、輪読会(ジャーナルクラブ)を年2回行っている。過去半年以内に出た論文1報と関連情報をあわせて10報以上読み、スライドにまとめて1時間発表する。最初のうちはハイインパクトのジャーナルを読み、分かったこと、やったことが一言で言えるものを読んでいく。
泉大雅さん 大阪大学 大学院 情報科学研究科 バイオ情報工学専攻 修士2年
「生命とは何か?」という問いに対して、生物のゲノム縮小というトップダウンのアプローチと、人工細胞の構築というボトムアップのアプローチの二つの手法をベースに研究をしている。今回は、“リポソーム”を器とする「人工細胞モデル」を用いて、膜タンパク質を人工的に“進化”させる手法について紹介する。
そもそも、“生命”とはなんだろうか?実際、生命の定義は未だ議論の的にあり、決まった一つの定義が存在している訳ではない。生命の持つ基本的な特徴としては、「自己の複製を行うこと」、「代謝によって自己を維持すること」、そして「進化すること」などが挙げられる。こうした特徴を持つ人工的な細胞モデルは作れないのだろうか?
“人工細胞”の構築を目指して、「再構成無細胞翻訳系」という技術をベースに、「RNAゲノムの自己複製システム」や、「リポソーム」などに着目して研究を行っている。
タンパク質を工学的に生産する手段の一つとして、無細胞翻訳系というものが注目されている。これは、細胞抽出液から得られる翻訳に必要な要素(リボソームやtRNA、そして諸因子など)や、アミノ酸、そして遺伝情報を担う分子(DNAまたはRNA)などを組み合わせ、翻訳反応を試験管内で進行させることが出来る手法である。この無細胞翻訳系の中にある「再構成無細胞翻訳系」(PURE system)を用いて、研究を行う。
リポソームに生命らしさを持たせる為に、リポソームにPURE systemを封入し、その内部でタンパク質合成を起こさせたり、リポソーム内で遺伝情報分子(RNA)の複製を行わせることが出来る。
人工細胞の構築を目指すに当たって、現状立ちふさがる大きな課題は“栄養獲得が行えていない点”である。人工的な細胞を構築するには、これに自己の維持を行わせることは必須であり、そのためには外部から栄養を獲得していく必要がある。現状では出来ていない。(ゆえに例えば前項の遺伝子の自己複製反応も、数時間でストップしてしまう。)
そこで、人工細胞構築に関連する技術を組み合わせて、膜タンパク質の機能を人工的に改変する新たな手法 “Liposome display法” を開発した。
そもそも、“生命”とはなんだろうか?実際、生命の定義は未だ議論の的にあり、決まった一つの定義が存在している訳ではない。生命の持つ基本的な特徴としては、「自己の複製を行うこと」、「代謝によって自己を維持すること」、そして「進化すること」などが挙げられる。こうした特徴を持つ人工的な細胞モデルは作れないのだろうか?
“人工細胞”の構築を目指して、「再構成無細胞翻訳系」という技術をベースに、「RNAゲノムの自己複製システム」や、「リポソーム」などに着目して研究を行っている。
タンパク質を工学的に生産する手段の一つとして、無細胞翻訳系というものが注目されている。これは、細胞抽出液から得られる翻訳に必要な要素(リボソームやtRNA、そして諸因子など)や、アミノ酸、そして遺伝情報を担う分子(DNAまたはRNA)などを組み合わせ、翻訳反応を試験管内で進行させることが出来る手法である。この無細胞翻訳系の中にある「再構成無細胞翻訳系」(PURE system)を用いて、研究を行う。
リポソームに生命らしさを持たせる為に、リポソームにPURE systemを封入し、その内部でタンパク質合成を起こさせたり、リポソーム内で遺伝情報分子(RNA)の複製を行わせることが出来る。
人工細胞の構築を目指すに当たって、現状立ちふさがる大きな課題は“栄養獲得が行えていない点”である。人工的な細胞を構築するには、これに自己の維持を行わせることは必須であり、そのためには外部から栄養を獲得していく必要がある。現状では出来ていない。(ゆえに例えば前項の遺伝子の自己複製反応も、数時間でストップしてしまう。)
そこで、人工細胞構築に関連する技術を組み合わせて、膜タンパク質の機能を人工的に改変する新たな手法 “Liposome display法” を開発した。
(出典:ゼミログ)
泉さんは、スライドを口頭発表のための資料としてだけでなく、読み物として想定しており、異分野の人でも噛み砕いて分かるように工夫されている。
また、デザインに対しても、表紙のデザインから(金魚すくい)朱色、和をイメージした色遣いを考えた。
また、色、文字サイズ、フォント等の統一を意識。他人の資料、Webや雑誌のデザインを参考にすると、レパートリーが増えるそうだ。
片山さんからの2人のスライドに関する講評は以下の通り
また、デザインに対しても、表紙のデザインから(金魚すくい)朱色、和をイメージした色遣いを考えた。
また、色、文字サイズ、フォント等の統一を意識。他人の資料、Webや雑誌のデザインを参考にすると、レパートリーが増えるそうだ。
片山さんからの2人のスライドに関する講評は以下の通り