2016年9月29日 更新

シリーズ1.ImageJの基礎~画像とは~

ImageJの基礎として、いくつかに分けて掲載します。まずは、「画像とは」についてご紹介します。

15,764 view お気に入り 0

【記事の目標】

画像を触ったことがない人が自分の研究に必要な画像解析についてImageJに備わっている自動処理用開発言語を使って解析できるようになる。

1. デジタル画像編

はじめに、ImageJの操作を学ぶ前に画像について知っておくべき基礎知識をまとめました。

ピクセル (画素) とは?

ピクセルとはデジタル画像を構成する最小単位です。画像は位置 (後述する座標) と輝度の情報をもつピクセルの集合体です 。

【ImageJにおける操作】

画像を開いてピクセルを見てみましょう。

濃い色のドットを2400%まで拡大すると小さな正方形が多数並んでいるのが確認できます。この一つひとつの正方形がピクセルです。カーソルをこの一つひとつのピクセルに近づけるとImageJではメニューの左下に位置情報 (XY座標) と 輝度情報が表示されます。
 (1732)

・画像のタイプ
デジタル画像にはカラー画像、グレースケール画像(モノクロ画像)、二値画像があります。

・グレースケール
モノクロ画像ともよばれ、白から黒までの連続的な変化で表されます。この連続的な変化が何段階で表示されるかを決めるのが次に説明するbit深度です。


・二値化画像
二値画像とは、その画素値が0と255 (あるいは0と1) の2つの値しかとらない画像であり、白と黒の2色だけで表示されます。グレースケール画像に対して二値化処理という操作を行うと得られる画像です。

・カラー画像
カラー画像は赤 (R) 、緑 (G) 、青 (B) の3枚の画像を重ね合わせて表現される画像です。これらRGBの画像のそれぞれはグレースケール画像であることから、各色ごとに分割して扱うことができます。

・bit深度
bit深度とは1ピクセルのもつ数値(画素値または輝度値)が何bit(=桁数)で表現されるのかを示す値です。
1桁で2通り (0 or 1) 、2桁で2^4通り (00, 10, 01, 11) 、8桁で2^8通りの表現力を持つということになります。8bitといった場合、黒から白までを8桁の0か1の数値で表すため、その組み合わせは2^8=256通り考えられます。
 (1734)

例 8bit画像;1ピクセルが256階調 (8bit) で表現されます。黒から白までを256段階に分割するため、1ピクセルが0~255までの輝度値をもち、コンピューターは00000000 (0に対応) ~11111111 (255に対応) と処理します。
 (1736)

・座標(X,Y)
デジタル画像の左上が原点 (0, 0)になり、右にX軸、下にY軸が伸びます。
 (1738)

【まとめ】

今回は第一回目としてデジタル画像の基礎知識を学びました。この内容が理解できると、次回からのImageJ操作編で勉強する画像処理の操作方法や原理がよりわかりやすくなると思います。
17 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

シリーズ6.マクロ言語を使った画像処理の応用編~ノイズ軽減① 空間フィルタ処理~

シリーズ6.マクロ言語を使った画像処理の応用編~ノイズ軽減① 空間フィルタ処理~

【記事の目標】 画像を触ったことがない人を対象として、適切な画像解析を施すまでのImageJのマクロ言語を用いた学習過程を示す。 今回の記事から応用編としてさらに詳しく画像処理を学んでいきます。最初のテーマはノイズ軽減です。
ImageJ Plugin で数値計算をしてみる #5

ImageJ Plugin で数値計算をしてみる #5

非情報科学研究者 (特に生物系研究者) が ImageJ plugin を作るために超えるべき壁やTipsをまとめます。今回は、面積の平均値や中央値、分散を出力するためのコードをご紹介します。
湖城 恵 | 10,179 view
ImageJインストール(Mac)#ImageJの初心者から中級者まで#

ImageJインストール(Mac)#ImageJの初心者から中級者まで#

ImageJのインストールの仕方についてまとめました! 「ImageJってなに?」から「ImageJって面白い!!」へ!
ImageJ まとめ

ImageJ まとめ

「このページを見れば,ImageJ のこと全てが解決する」をモットーに,日々更新を行っています.
シリーズ5.ImageJマクロ言語を用いた画像解析~マクロ言語のまとめ2~

シリーズ5.ImageJマクロ言語を用いた画像解析~マクロ言語のまとめ2~

【記事の目標】 画像を触ったことがない人を対象として、適切な画像解析を施すまでのImageJのマクロ言語を用いた学習過程を示す。 今回の記事ではImageJのユーザー定義関数について学んでいきます。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部