2016年9月28日 更新

MRIとCTの違いとは?

MRIとCTの違いについてご紹介します。

110 view お気に入り 0

MRIとCTとの違い

X線CTとMRIの一番の違いはX線(放射線)を使用しているかどうかだ。

X線CTはその名のとおりX線を使用してスキャンし、そのX線の透過率の差を画像にしたもので、MRIは磁石の性質を利用して色々な臓器に含まれる水分と脂肪の分子であるプロトンの信号を捉えて画像化したものだ。

プロトン(水素原子核)は極めて小さな磁石だと考えられていて、この磁石が回転して発する電磁波の信号を捉えている。
上の画像は、頭部のCTとMRI画像だ。CTでは造影ありなしで画像を比較しているが、MRIでは撮影方法を変えて2種類の画像を比較することにより、より正確診断ができる。
(編集部注1)
藤元メディカルシステム

藤元メディカルシステム

長所・短所

検査時間が短いため、広い範囲での検査にはCTが適している。また、MRIでは骨や肺の演出が難しいので、骨や肺の状態を観察したい場合にはCTが適している。しかしCT検査では放射線被ばくがあることが欠点だ。また、病変と正常組織の濃度の差ではMRIに劣る。
(編集部注2)

解析例

富士フィルム

富士フィルム

これは肝臓のCT画像の解析例である。
CT画像を用いた肝臓実質のVolumentry(容積測定)を行える。
富士フィルム

富士フィルム

これはMRIで撮った画像の解析の例だ。
MRIの多フェーズ造影画像および参照画像を表示している。

社会での必要性

CTでは心臓や心臓に栄養を与える冠状動脈や心臓の筋肉の形態的な異常を調べたり、心臓の中に血栓ができてないかをチェックしたりできる。

MRIでは心臓の形態や心筋の性質をみるための撮影法がある。また、先天性心奇形の診断や血流測定もできる。冠動脈の奇形・狭窄や、心膜の病気について有用な情報が得られる場合もある。
(編集部注3)

このようにX線CT・MRIにはそれぞれ長所・短所があり、患者の疾患や状態に合わせて使い分けているそうだ。
参考URL
http://www.fujimoto.or.jp/tip-medicine/lecture-75/index.php
http://fujifilm.jp/business/healthcare/synapse/clinical_system/vincent/application_02.html



※今回の記事は職場体験の来た中学生の調査レポートを専門家がレビューした記事です。

編集部注1:MRIはT1強調・T2強調という2つのコントラストが基本であるが、傾斜磁場の組み合わせによって、撮像方法の組み合わせは数えきれない程ある。メーカーによっても、撮像方法の呼び名が異なったりする。

編集部注2:撮像方法により撮像原理や見たい病変が異なるので、CTが一概にMRIより病変の検出能が劣るとは限らない。

編集部注3:血栓は心臓では栄養血管である冠状動脈などに出来る。また、心臓は1秒以内で拍出運動を繰り返しているので、高速で精度の高い画像収集が出来るCT撮影の方が、同じ拍出のタイミングで撮像出来る。

編集部注4:撮像方法は他にも、超音波検査や核医学検査、X線一般撮影などがある。医師が患者さんの問診をした上で、疑わしい病気(がん等)を調べる為に検査を行ったり、治療の進捗を見る為に検査を行ったりする。それぞれの場面で適した検査方法も違ってくる。
14 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

日本の画像診断②〜CT, MRI台数, 撮影回数のOECD諸国との比較〜

日本の画像診断②〜CT, MRI台数, 撮影回数のOECD諸国との比較〜

今回は、日本のCT, MRI装置台数や撮影回数を世界各国と比較した結果をご紹介します。
木田智士 | 1,851 view
日本の画像診断①〜我が国のCT, MRIの総撮影回数(2015)〜

日本の画像診断①〜我が国のCT, MRIの総撮影回数(2015)〜

今回は、我が国のCT, MRIの総撮影回数(2015年)についてまとめましたのでご紹介します。
木田智士 | 373 view
医用画像位置合わせの基礎⑤~Fiji pluginを用いた画像位置合わせ~

医用画像位置合わせの基礎⑤~Fiji pluginを用いた画像位置合わせ~

前回紹介した、LPixel社のImageJ registration pluginに引き続き、今回は、FijiというImageJの拡張版ソフトを使った画像位置合わせをご紹介します。
木田智士 | 1,133 view
医用画像位置合わせの基礎③ 〜MRI画像を使った相互情報量の計算〜

医用画像位置合わせの基礎③ 〜MRI画像を使った相互情報量の計算〜

今回は、前回紹介した相互情報量の概念を画像に応用し、実際のMRI画像を用いて相互情報量を計算することにより、画像の類似度を評価することをご紹介します。
木田智士 | 1,189 view
医用画像位置合わせの基礎① 〜画像の類似度とは?〜

医用画像位置合わせの基礎① 〜画像の類似度とは?〜

近年、放射線診断や放射線治療において、医用画像位置合わせは重要な技術になってきています。ここでは、医用画像解析に興味のある学生や研究者のために、医用画像位置合わせに必要な基礎知識についてまとめました。
木田智士 | 3,439 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部