2018年6月6日 更新

CTの原理②〜投影切断面定理とCT再構成の実装〜

CT (Computed Tomography)の投影切断面定理に関して説明します. また投影が少なくなったとき,どのような挙動を示すのかを数値実験を交えながら紹介します.

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前回の記事では,CTの投影がRadon変換によって与えられることを示し,
それをmatlab のコードにより実装しました.
具体的には,投影領域に対して,ある角度で投影した際,以下のように与えられることを説明しました.

\begin{align} p(r,\theta) = \int_{D} f(x,y) \delta(r-x\cos\theta - y\sin\theta)dxdy \end{align}

ProjectionとObjectの関係

ProjectionとObjectの関係

Projection とObjectの関係について表した図.

ここで$\delta$はデルタ関数と呼ばれるもので,0になる部分で1,他の部分で0になるようなものです

本記事で考えている題材は,いろいろな角度から投影が得られたとき,Objectを完全に復元できるのか?という問題です.
 (4796)

投影から復元する問題.
結論をいうと,出来ます.これには,投影切断面定理と呼ばれる以下の定理を用います.

投影切断面定理

投影切断面定理とはCTの投影とその領域の2次元フーリエ変換とを結びつける定理です. 具体的には, CTの投影のフーリエ変換が,領域の2次元フーリエ変換の断面に一致するという定理です. 領域の2次元フーリエ変換が分かれば,逆フーリエ変換をすることで元の領域を得ることができますので, 投影から完全に復元できたことになります.

ここでは具体的な式変形は割愛させていただきます.興味のある方は調べてみてください.

Matlabによる実装

以下,Matlabのコードで実装してみました.
なお,Matlab の関数にはFilter Back Projection と呼ばれる処理を行う関数が入っており,上の定理に加え,周波数領域で空間フィルタをたたみ込むことで,高周波成分のノイズの拡大を防いでいます.

https://uk.mathworks.com/help/images/ref/iradon.html

1. まず画像をロードします.

P = phantom(128);
imshow(P)
Matlab コード1
 (4802)

Phantom 画像
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