2017年10月17日 更新

フェノタイプスクリーニングにおける画像解析

フェノタイプスクリーニングにおける画像解析についてご紹介します。

3,906 view お気に入り 0
創薬研究におけるフェノタイプスクリーニング (phenotypic screening) とは、細胞や臓器の表現型 (フェノタイプ)、すなわち、細胞増殖や細胞死、特定のタンパク質の生産量等を指標にして、それを変化させる低分子化合物やペプチド、RNAi等を探索する手法のことをいう。

ある種の薬を投与した時に投与前と投与後で細胞の形状等がどのように変化したのかを調べることで、効果測定を行う手法である。
あらかじめ標的タンパク質を設定した上で探索を行うtarget based drug discovery (TDD) に対して、phenotypic dug discovery (PDD) と呼ばれることがある。着目したフェノタイプを阻害または亢進する物質が先に同定されるため、同定物質の最適化や薬理学的な詳細を知るためにはターゲット分子を知る必要があり、ターゲット分子の同定がフェノタイプスクリーニングに引き続いて行われる過程となる。

このフェノタイプスクリーニングを行う為の手法として画像解析が使われることがある。

細胞を評価する方法には様々な方法が存在するが、「完全に非破壊」かつ「定量的」にこれを行う手法はまだ少ない。そこで、顕微鏡画像から得られる細胞の形の情報を用いて、非破壊かつリアルタイムに細胞品質を定量的に評価する手法が研究されている。

<参考資料>
フェノタイプスクリーニング(バイオインフォマティクス入門)
「フェノタイプスクリーニング 古くて新しい創薬手法 Part2」(第365回CBI学会講演会)
2 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

日本が進めるAI画像診断支援②

日本が進めるAI画像診断支援②

大量に集められた医用画像データベースを用いて、いかに効率的に解析可能な教師データを作成していくか、またAIをどのように臨床業務のワークフローに組み入れていくか、がAI画像診断支援の実装に向けた今後の大きな課題です。今回は、AI画像診断支援の実装に向けた具体的な取り組みについて紹介します。
木田智士 | 3,700 view
日本が進めるAI画像診断支援①

日本が進めるAI画像診断支援①

AIによる医用画像診断支援を進めていくためには、大量の医用画像データが必要です。現在、日本の学会や研究所が中心となって、大規模な医用画像データベースの構築が進んでいます。今回は、その大規模データベース構築の現状について紹介します。
木田智士 | 3,767 view
ディジタル画像処理~pythonによる空間フィルタリングpart1~ 

ディジタル画像処理~pythonによる空間フィルタリングpart1~ 

ディジタル画像処理を解説します.今回は,代表的な空間フィルタリングをpythonで実行してみました。
亀谷 桃子 | 13,003 view
Julia と画像処理②〜画像のセグメンテーション(Seed Region Growing とFelzenszwalbアルゴリズム)〜

Julia と画像処理②〜画像のセグメンテーション(Seed Region Growing とFelzenszwalbアルゴリズム)〜

プログラミング言語「julia」を用いて画像処理を行います.インストールに続き,今回は画像のセグメンテーションのライブラリを用いて,セグメンテーションを行います.

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部