2016年9月13日 更新

4.37兆分の1秒の超高速で画像を撮影する「STAMP」カメラを開発(東京大学)

東京大学の中川桂一特別研究員らによる研究グループは、既存の高速度カメラとは異なる原理で、4.37兆分の1秒毎に画像を取得することで動画撮影をおこなう新しい技術を開発した

581 view お気に入り 0
科学の研究において、時間分解能の高い観察をすることは大きな意義がある。しかし、これまでの高速度カメラは、機械的・電気的動作による技術的な問題によって10億分の1秒の測定までしか実現されていない。

 今回の研究では、様々な色の光を用いて動的現象の象を空間的にばらけさせ、そのあとで時間的に動画として再構成するという動作原理に基づく超高速撮影法「Sequentially Timed All-optical Mapping Photography(STAMP)」を提案し、実証した。この撮影システムによって結晶中のフォノン・ポラリトンの超高速な動的現象を観察したところ、4.37兆分の1秒という撮影速度で連続的に捉えることに成功した。

 今後は、従来の技術では観察することのできなかった現象を、STAMPカメラによって捉えることができるようになると期待されている。

 なお、この内容は8月10日に「Nature Photonics」に掲載された。

ハードウェアの性能が高まれば、ますます膨大なデータを処理するソフトウェアが必要とされてくるだろう。

(財経新聞)
 (39)

2 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

人工知能エンジニアMeetUp!#3〜医療ビッグデータの活用〜のまとめ

人工知能エンジニアMeetUp!#3〜医療ビッグデータの活用〜のまとめ

先日、「人工知能エンジニアMeetUp」と題して、医療ビッグデータの活用に関する講演がありましたのでその模様をご紹介します。
Extracting Straight Lines〜画像から境界線を効率よく求める方法〜

Extracting Straight Lines〜画像から境界線を効率よく求める方法〜

本記事では,IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence に投稿された,「Extracting Straight Lines」の論文を説明し,実装を行います.1986年に投稿された少し古めの論文ですが,アイディアは非常に面白いです.
ディジタル画像処理~pythonによる空間フィルタリングpart1~ 

ディジタル画像処理~pythonによる空間フィルタリングpart1~ 

ディジタル画像処理を解説します.今回は,代表的な空間フィルタリングをpythonで実行してみました。
亀谷 桃子 | 12,938 view
Morphology (モルフォロジー) 変換の実装 ~ Python + OpenCV ~

Morphology (モルフォロジー) 変換の実装 ~ Python + OpenCV ~

画像処理の一つ,モルフォロジー変換をPython と OpenCVのライブラリを用いて実装し,それを2値画像に対して適用します.
Julia と画像処理②〜画像のセグメンテーション(Seed Region Growing とFelzenszwalbアルゴリズム)〜

Julia と画像処理②〜画像のセグメンテーション(Seed Region Growing とFelzenszwalbアルゴリズム)〜

プログラミング言語「julia」を用いて画像処理を行います.インストールに続き,今回は画像のセグメンテーションのライブラリを用いて,セグメンテーションを行います.

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部