2019年1月10日 更新

脈拍でストレスを検出する

前回計測した脈拍を利用して,自分のストレス状態を検出してみました.簡単なアルゴリズムで実装でき,脈拍以外に心電図なのでも同様な検出系を作ることができます

13,886 view お気に入り 0
i番目とi+1番目のピーク間距離RRiが時間によってどのように変化するかをみると
生体信号のゆらぎをみることができます.

ピーク間距離計測データ

 (5241)

青い点が実データのプロットで,オレンジ線がスプライン補間したグラフです.
概ね1 s付近なのでデータとしては正しそうです.
また心拍の時間間隔なので一定に思いがちですが,ばらつきがあることがわかります.

プログラム

# plot raw RR
tRR = np.delete(t[peaks], 0)
RR = np.diff(t[peaks], n=1)
# interpolation
t_s = np.linspace(tRR[0], tRR[-1], num=8192)
RR_s = interp1d(tRR, RR, kind='cubic')(t_s)
interpolationRR.py

ピーク間距離時間の変動のFFT結果

 (5247)

結果の解釈
・0.04 Hz ~ 0.15 HzはLFと呼ばれ,交感神経と副交感神経の影響を受けていると考えられている.
・0.15 Hz ~ 0.40 HzはHFと呼ばれ,副交感神経が優位であると考えれている.
一般にLF/HFで評価され,グラフからは0.15 Hz以下の領域(LF)が支配的であると考えられるため
交感神経が優位であると考えられる,つまりストレスを感じています.

おわりに

脈拍のピーク間隔(RR間隔)を元にストレスの有無を検知してみました.
暗算やホラー映画なのでストレスを作り出した後に計測して,手法の整合性に検証する必要がありますね.
このRR間隔は睡眠時無呼吸症候群の検査にも用いられるようで,スマートウォッチで脈拍が計測できると充実したヘルスケアアプリができそうです.
26 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

電気刺激装置で筋トレ

電気刺激装置で筋トレ

画像脈拍計測を予定していましたが,上手く計測できていないのでコンテンツを変更しました. この記事では筋肉に電気で刺激しています.
栢菅 宏規 | 1,641 view
画像で脈拍計測 Part1

画像で脈拍計測 Part1

PCのWebカメラを用いた脈拍計測の準備として,顔画像のRGBの取得までを行いました
栢菅 宏規 | 3,772 view
お手軽な脈拍計測

お手軽な脈拍計測

指から自分の心拍数を計測してみました. Androidで計測するつもりでしたが,不具合があったためセンサを製作しました.
栢菅 宏規 | 3,950 view
筋肉の電気信号・筋電位の識別 Part 2

筋肉の電気信号・筋電位の識別 Part 2

前回は筋電位の計測し,どういった信号なのかを確認しました. 今回は計測結果を元にchainerを用いてニューラルネットワークで手の姿勢を識別しました.
栢菅 宏規 | 4,847 view
筋肉の電気信号・筋電位の計測

筋肉の電気信号・筋電位の計測

じゃんけんの姿勢を筋電位で計測して,識別できるか検証します
栢菅 宏規 | 6,035 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

栢菅 宏規 栢菅 宏規