画像解析入門④ 画像処理を行う為の方法とツール

画像解析を行う為のツール、ソフトウェアに関するRとPhotoshopの使い方を見てみましょう。因みに今回ご紹介する内容は、Lpixelでセミナーを開催したときのものをもとにしています。

目次

研究における画像の意味

画像は良くも悪くもインパクトがあり、説得力があります。先日NHKで再びSTAPの話題が挙がっていましたが、

論文を読んでいても、文字で書かれた結論より、表とか写真の方が気になっちゃう、、ということはありますよね。

しかし、学会では、オーディエンスは間違いや疑いがあったら指摘したり質問をしますよね。

科学者としては、それが本当なのかどうか検証しないといけない。
得られた結果の定量的に客観的に調べる必要があります。そこで、研究する側もそれを見る側も
適切な画像処理、画像解析の知識を持っているべきだと思います。

画像処理、画像解析を他の団体に委託する時、どんなケースが多いでしょうか?業者委託による解析の場合、相手が研究室同士であれば、共同研究という形をとります。しかし、解析や処理を委託される研究室の側の作業負担が重くなり、不公平が生じることもあります。

そこで、単なる頼まれごと、ではなくて、きちんとお金の契約をして事業化するのはいかがでしょうか。
これが、もう一つの選択肢です。研究室の中で委託されることが多いことは一つのビジネスチャンスかも知れません。

画像処理のツール

ソフトウェアを用いれば、一枚一枚の画像処理を様々に行うことが出来ます。自動計算処理によって、人が行っている部分を自動化することも可能です。
しかし、同じ画像でも見る対象がそれぞれ異なります。自分達が見たいものに合わせて、それに近いソフトウェアを使うことになります。

汎用性を担保するソフトウェアはそれほどないのではないでしょうか?

汎用的なソフトウェアとしては…R,Image J Fiji GIMP
専門的なソフトウェアとしては…MatLabなどがあります。

解析に詳しい人がこうした専門ソフトウェアを使って開発しています。

Rを利用する人はR Studioを使っています。
医療者はよく統計の為にRを使っていたりしますね。

代表的な画像処理ソフトウェアPhotoshop

代表的な画像処理ソフトウェアで、まだ出てきていないものとしては、、そう、Photoshopがありますね。

Photoshopは先程紹介したソフトウェアと比べると、数値情報はそれほど求めません。むしろ絵を描いたり、グラフィックの方で使う人も多いのではないでしょうか?
しかし、Photoshopでも数値情報は扱うことが出来ます。左下に解像度やビット数が表示されます。

また、Photoshopのマクロツールとしてヒストリーログというレコード機能があるのですが、メニューの奥のほうにあって分かり辛いです。

統計処理によく用いるR

RはPythonによく似た言語です。起動したら、下のような画面が表示されます。

また、Rは統計処理用ソフトウェアの印象が強いですが、画像処理用パッケージも持ちあわせています。 Rを使う人は、作図などの処理を自動で行う際に使っている方が多いそうです。
Rを勉強されたい方はRの教科書として「Rによるデータサイエンス」がオススメだそうです!是非ご覧下さい!

また、ライフサイエンス系でいうと、biOpsやEBImageというツールが画像処理・解析機能として既に組み込まれています。逆にこれをダウンロードしないとRでは画像処理・解析が出来ません。画像処理をImage Jで→数値情報の解析をRでという手法が多いです。

RはBio Conductorという画像処理などライブラリがとんでもなく充実していますが、forを用いた指示を使って、ラスタスキャンしようとすると、時間がかかってしまうそうです。

一方で、Pythonはfor文の処理を含め計算処理が非常に早く、今後5年先になったら流行ってくると言われています。

自動処理と拡張

研究の際にアナログで処理を行うと、記録や処理を自動で行わないといけません。いちいち記述するのは大変ですよね。

しかし、画像処理・解析のソフトウェアは自動で処理を行ったり、記録・保存することが出来ます。

また、ソフトウェアの場合、処理能力を拡張させることが出来ます!これも人の手ではなかなか出来ないことだと思います。周波数処理は人の手では出来ないですよね苦笑

Image Jだとマクロ上で記述を行います。

PhotoshopでもPluginの導入によって、高度な画像処理を行うことが出来るそうです。

いかがだったでしょうか?色々な種類のツールがあるのが分かったと思います。特にPhotoshopに関しては、セミナー資料(第1回,第2回,第3回)がありますので、そちらも是非ご参考下さい!