大腸がん立体画像検査「CTコロノグラフィー」

消化管の検査というとよく健診で白い液体と発泡剤を飲まされて、お腹が苦しい状態でげっぷをがまんして色んな方向にぐるぐる回されたり、お腹にまくらをしかれて思わず吐きそうになることもあるだろう。

消化管の検査というとよく健診で白い液体と発泡剤を飲まされて、お腹が苦しい状態でげっぷをがまんして色んな方向にぐるぐる回されたり、お腹にまくらをしかれて思わず吐きそうになることもあるだろう。

これは、胃がんの検査の為に白い液体(硫酸バリウム)が胃壁にはりつき、中が空気でふくれることで胃のスケルトンをきちんと見たいから、こんなことをやっているのである。

大腸の場合は色んな方向に腸は回っているのだからもっと大変だ。今度はバリウムを尻から注入しなくてはいけない。
患者さんに横になってもらい、バリウムと空気をうまい具合に注入しないと腸壁にうまくはりついてくれない。

しかし、最近では、わずかな造影剤を使い、被曝時間も少なくして検査を行うことが出来る。

これがCT(コンピュータ断層撮影)を用いたCTコロノグラフィーである。

(出典:Wikipedia)
CTコロノグラフィーでは、検査中、腸管を膨らませるため肛門から炭酸ガスを入れるが、注入量は、痛みが出ないように自動調整される。検査後、ガスはすぐに腸管に吸収される。

CTは他の組織とのコントラストを三次元で詳細に観察することが出来、適宜不要な部分をカットして見たい臓器だけを観察することが出来る。また、立体画像は、あらゆる方向から様々な倍率で観察できる。腸管をウナギのかば焼きのように開いて見たり、腸内のヒダを左や右に倒したりすることもできる。

(出典:radiopaedia)
CTの撮影時間はほんの10秒以内に完了する。被曝時間も少なく、これまで何十分もかかっていた検査がスムーズに終わり、被曝線量も軽減することが出来るようだ。

<参考資料>
大腸がん立体画像検査…痛みなく 全方向から観察(読売新聞の医療サイト yomiDr. 2015/7/3 読売新聞掲載)