フェノタイプスクリーニングにおける画像解析

フェノタイプスクリーニングにおける画像解析についてご紹介します。

創薬研究におけるフェノタイプスクリーニング (phenotypic screening) とは、細胞や臓器の表現型 (フェノタイプ)、すなわち、細胞増殖や細胞死、特定のタンパク質の生産量等を指標にして、それを変化させる低分子化合物やペプチド、RNAi等を探索する手法のことをいう。

ある種の薬を投与した時に投与前と投与後で細胞の形状等がどのように変化したのかを調べることで、効果測定を行う手法である。
あらかじめ標的タンパク質を設定した上で探索を行うtarget based drug discovery (TDD) に対して、phenotypic dug discovery (PDD) と呼ばれることがある。着目したフェノタイプを阻害または亢進する物質が先に同定されるため、同定物質の最適化や薬理学的な詳細を知るためにはターゲット分子を知る必要があり、ターゲット分子の同定がフェノタイプスクリーニングに引き続いて行われる過程となる。

このフェノタイプスクリーニングを行う為の手法として画像解析が使われることがある。

細胞を評価する方法には様々な方法が存在するが、「完全に非破壊」かつ「定量的」にこれを行う手法はまだ少ない。そこで、顕微鏡画像から得られる細胞の形の情報を用いて、非破壊かつリアルタイムに細胞品質を定量的に評価する手法が研究されている。

<参考資料>
フェノタイプスクリーニング(バイオインフォマティクス入門)
「フェノタイプスクリーニング 古くて新しい創薬手法 Part2」(第365回CBI学会講演会)