【画像の再構成理論②】〜ノイズによる影響〜

画像再構成の第2回目として、ImageJ(Fiji)を使った様々な画像処理についてご紹介します。

こんにちは、今日は画像の再構成についての第2回目です。以下はImageJ(Fiji)を使って様々な画像処理を行っていますので、自分で画像処理して試してみたいな、って思う方は下にインストールの仕方を説明した回の記事のリンクをはっておくのでインストールをして、いろいろ実行してみてください。

第1回目の内容から、手ブレやピンボケはフーリエ変換のたたみ込みによって表されることがわかったかと思います。
さて、今回の目標は以下のようなピンボケ画像から元どおりの画像を復元することです。
この画像は以下のようにフーリエ変換のたたみ込みによって作られることが前回の内容から理解できたと思います。たたみ込む画像は撮影する条件によって決定されるとしましょう。 Fijiから下のような二つの画像を用意して、Process -> FFT -> FD Math からConvolveを選択して実行してみてください。

それでは元に戻すときにはどうしたら良いのでしょうか。

Convolveとは画像二つをたたみ込むということです。これはフーリエ変換上では掛け算を意味しています。掛けてピンボケ画像になったのですから割り算をすればいいわけです。実際、ピンボケ画像と上の右側の画像とを選び、Process -> FFT -> FD Math からDeconvolveを選択すると元どおりに戻すことができます。

たたみこみ演算の逆(Deconvolve)を行うと、元の画像に戻る。

ここまでは前回の内容から理解できると思います。単にフーリエ変換により掛け合わされていたものを割って元どおりにしたというイメージです。

今回話すのは以下のようにピンボケ画像にちょっとしたノイズ(この場合、ひっかき傷のようなもの)が入った場合、同じような処理をするとどのようになるのか、ということです。

これは各自実行してみて確認してください。実は全く別の変な画像が出現するのです!!!!!!!とても不思議だと思いませんか?

画像が元に戻らない!

撮影時に紛れてしまったノイズが、復元するときには途轍もなく大きくなって現れてしまうのです。非常に不思議ですよね。

実はこれはガウシアンフィルタを表す行列の固有値が大きく影響します。次の章ではガウシアンフィルタの定式化を進めることにしましょう。