2016年9月28日 更新

細胞の移動量を調査

細胞の移動量(動態解析)についてご紹介します。動態解析とは、観察している対象物の経時的な変化を調べる為に行います。

20,216 view お気に入り 0
今回は動態解析について見て行きたいと思います!

動態解析とは、観察している対象物の経時的な変化を調べる為に行います。
理化学研究所

理化学研究所

例えば、理化学研究所の「細胞内ロジスティクスのデジタル解析」分野では、メラノソーム輸送に関するタイムラプス動画が紹介されていました。メラノソームの動態解析について自動解析を行っているそうです。

また、医用画像では、心臓の拡張期と収縮期の形態の違いを比較して、心駆出率(Ejection Fraction)や心拍出量(Cardio Output)を調べる為に同じ断面でスライスを何枚も撮像し動態解析を行ったりします。

ここで、動画画像がどのように構成されているのか見て行きたいと思います。
anfoworld

anfoworld

上は画像解析を個人で行われている方のHPから拝借しました。動画は、一枚一枚の画像を時間軸に沿って重ね合わせたものです。従って、ある対象がどのように動いたかを調べる為には、対象物の位置が一枚一枚確認出来れば、移動距離を調べることが出来ます。

ここで、一枚ずつ画像を重ね合わせた画像のことをスタック画像といいます。
 (1132)

スタック画像は、一枚ずつ動画のようにコマ送り再生することが出来ます。
 (1134)

Stacks -> Animation -> Animation Options...から再生のスピードなどを設定出来ます。
 (1135)

初期設定では、Speedは10fpsになっています。
さて、今回は、Fijiの画像サンプルに入っている疑似細胞の動態解析用サンプルを見てみましょう!

File -> Open Samples -> Tracks for Trackmateを選択して下さい。
 (1137)

 (1138)

まず、全体でどれだけ細胞が動いているか、移動距離を見てみます。

Image -> Adjust -> Brightness/Contrastで動きを見たい対象以外のノイズを除去します。
 (1140)

次に、Image -> Stacks -> Z Projectを選択し、Projection typeをMax Intensity(最大輝度を1つのスライスに投影する)に設定してOKを選択します。
34 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

医用画像位置合わせの基礎シリーズ①〜⑧まとめ

医用画像位置合わせの基礎シリーズ①〜⑧まとめ

今回は、「医用画像位置合わせの基礎シリーズ①〜⑧」の総まとめです。医用画像処理に興味を持ってもらえたり、ImageJに触れたり、研究を始めるきっかけになれば、幸いです。
木田智士 | 13,804 view
医用画像位置合わせの基礎④ 〜LPixel ImageJ pluginを用いた画像位置合わせ〜

医用画像位置合わせの基礎④ 〜LPixel ImageJ pluginを用いた画像位置合わせ〜

今回は、ImageJという画像解析ソフトを使った画像位置合わせについてご紹介します。
木田智士 | 16,599 view
LPixel(旧KBI) Image J Pluginについて

LPixel(旧KBI) Image J Pluginについて

Image Jの画像処理、画像解析に関する一連のプログラムをまとめたライブラリ LPixel Image J Pluginをご紹介します。
ImageJ Plugin で数値計算をしてみる #5

ImageJ Plugin で数値計算をしてみる #5

非情報科学研究者 (特に生物系研究者) が ImageJ plugin を作るために超えるべき壁やTipsをまとめます。今回は、面積の平均値や中央値、分散を出力するためのコードをご紹介します。
湖城 恵 | 9,701 view
ImageJインストール(Mac)#ImageJの初心者から中級者まで#

ImageJインストール(Mac)#ImageJの初心者から中級者まで#

ImageJのインストールの仕方についてまとめました! 「ImageJってなに?」から「ImageJって面白い!!」へ!

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

エルピクセル編集部 エルピクセル編集部